電気回路とオーム法則のおはなし
電気回路とは
乾電池と豆電球およびスイッチを第1図のように電線でつないで、スイッチを閉じますと、豆電球に電流が流れて豆電球は明るくつきます。
そこでこのときの電気の通る路を調べてみましょう。第1図をご覧下さい。
電流は乾電池の(+)極から出て豆電球を通り、スイッチを通って乾電池の(-)極にもどります。そして、乾電池内では(-)極から(+)極に向かって流れますので電気の通り路には、どこにも切れ目がないことがわかります。
このような電気の通る専用道路を“電気回路”あるいはたんに“回路”といいます。
それでは電気回路がどのように構成されているかを調べてみましょう。
まず乾電池のように、起電力をもっていて引き続いて、電流を流すもとになるもの、つまり電気を供給する源を“電源”といいます。またこの電源から電気の供給を受けていろいろ仕事をする装置を“負荷”といい、豆電球は“電気”を“光”にかえる負荷装置といえます。
次にスイッチのように、これを操作することによって、回路に電流を流したり、流さなかったりして、電流をコントロール(制御)する機器を“制御機器”といいます。
そして、電源と負荷および制御機器とを結び、電気の通る路をかたちづくるものを“配線”といい、電線などが用いられます。
電流と電圧の関係は?
それではまず電流と電圧(起電力)のあいだがらを調べるためにひとつの実験をしてみます。
第2図のように乾電池2個と豆電球2個を用いて電圧(起電力)が2倍ちがう電気回路A(右側の回路)と電気回路B(左側の回路)をつくります。これで実験してみましょう。
順序1として電気回路Aにおいて、スイッチAを閉じますと電流が流れ、豆電球Aが点灯します。
順序2として電気回路Bにおいて、スイッチBを閉じますと電流が流れ、豆電球Bが豆電球Aよりもずっと明るく点灯します。
この結果よりみますと、
- (1)豆電球Bが豆電球Aよりも、ずっと明るいということは、豆電球Bの方が豆電球Aよりも電流がよけいに流れていることになります。
- (2)電気の源である乾電池が1個よりも2個の方が大きな電流(実際は2倍)が流れることから“電流は電圧(起電力)に比例して流れる”ことになります。
電気抵抗とは?
まず“回路”に流れる電流と“電気抵抗”のあいだがらを調べる実験をしてみましょう。
第3図のように乾電池1個と、豆電球3個を用いて電気抵抗が2倍(豆電球の数)ちがう電気回路Aと電気回路Bをつくります。
この結果からみますと
- (1)豆電球Bと豆電球Cが、豆電球Aよりも、ずっと暗いということは、豆電球BとCの方が豆電球Aよりも、電流の流れが少ないことになります。
- (2)豆電球BとCが2個数珠つなぎになっておりますと、電流の流れを妨げる働きをする電気抵抗が、豆電球Aの場合の2倍になりますから、それだけ流れる電流が少なくなり(実際は1/2)、豆電球Aよりも暗くなるのです。
- (3)電流は、電気抵抗が大きくなると、流れにくくなるということですから、“電流は電気抵抗に反比例して流れる”ことになります。
以 上電流と電圧の関係の実験では電流は電圧に比例し、また電気抵抗の実験では、電流は電気抵抗に反比例することがわかりましたので、これをまとめてみます と、「電気回路に流れる電流は、回路に加えた電圧に比例し、回路の電気抵抗に反比例する」ことになります。この関係を“オームの法則”といいます。
いまR[オーム]の抵抗に、電池などによってⅤ〔ボルト〕の電圧を与えたときに流れる電流Ⅰ〔アンペア〕とすれば
となります。