漏電しゃ断器
漏電しゃ断器(漏電ブレーカー)はどんな場合に動作するの?
漏電しゃ断器は、回路の屋内配線や電気器具等のわずかな漏電を検出して、回路から切り離し感電事故や火災事故を未然に防止する役割を持つもので、過電流の保護ではありません。
電気器具からケースの金属部に漏電した場合でも完全な絶縁物の上にある場合は、大地への漏電は起こりません。
しかし、湿った床やコンクリート上に置かれている場合は、大地への漏電が起きます。
当然、人が触れた場合には、人体を通じても大地に漏電電流が流れ、漏電しゃ断器は動作しやすくなります。
なお、器具等のケースアースを取り付けている場合は、より大きな漏電電流が流れ、しゃ断器の確実な動作が期待できます。
漏電と地絡の違いは?
- ①漏電とは、電流が正規の通路以外に漏れること。
(低圧回路での現象をいう)絶縁不良によることが多く、火災や感電の原因となります。 - ②地絡とは、高圧配電線や送電線が雷撃による碍子破損や樹木接触等により、大地に電流が漏れること。
- ※何れの場合も正常に電気を供給することが出来ず、①では漏電しゃ断器で②では地絡保護装置により異常を検出し回路をしゃ断します。
ポイント
大地(地球)は導体
銅、アルミニウム、鉄などの金属は電気を大変よく通す良導体です。
反対に、陶磁器、ゴム、プラスチック、空気などは、電気を通さない絶縁体です。
大地(地球)は、金属ほどではありませんが、電気を通します。いわば、大きな電線と考えてもよいでしょう。
農場などで、シカやクマの侵入防止の電気柵があります。
これは、地上に張り巡らせた電線に電源のプラス極をつなぎ、マイナス極を地中にアースして(いわばマイナス側の電線につなぎ)電圧をかけておきます。
シカが寄ってきて鼻先を地上の電線に触れると大地と回路がつながり、感電ショックを受けて逃げます。
(電圧は数千Vですが、電流が微弱で瞬間的なショックになるよう作られているので、ケガはしません)