磁石のおはなし
磁石は身近な生活の一部に、例えばアコーディオンカーテンの止めに、書棚の開き戸などパチンと止めて適当な力で開く、また電気製品のいろいろな部分に数多く使用され、電気で磁石を作り、これを利用してベルを鳴らしたり、また電気を起こす発電のもとになります。
磁石には“N極”と“S極”がある
磁石とは、鉄を吸引する性質をもったものをいいます。この鉄を吸引する性質は、磁石全体にはありません。
第1図のような棒磁石なら、その両端に集まっております。これは棒磁石を砂鉄の中に入れますと、砂鉄はその両端にだけ多く付着していることがわかります。
この両端の磁性の極めて強い部分を「磁極」といっております。
磁石の働きをする磁極には、鉄を吸引するという性質は同じでも“N極”と“S極”という異なった種類の磁極が一対になっております。
磁石には南北を指す性質がある
いま、第2図のように、棒磁石を糸でつるしますと、必ず棒磁石は南北の方向に向いて止まります。
そして、一定の磁極は、常に一定の向きを示すものです。この場合、地球の“北”を指す磁極を磁石の北極(North pole)といい、その頭文字をとって“N極”といいます。また地球の“南”を指す磁極を、磁石の南極(Southpole)といい、その頭文字をとって “S極”といっております。
ですから棒磁石には“N極”と“S極”が1個ずつあることになります。
磁石の磁極間に働く力
第3図(a)のように、一つの磁石のN極に他の磁石のN極を近づけますと、互いに反発する力が働きますが、(b)のように他の磁石のS極を近づけますと、互いに強く引き合う力が働きます。
また(c)のように、一つの磁石のS極に他の磁石のS極を近づけますと、互いに反発し(d)のように他の磁石のN極を近づけますと強く引き合います。
ということは、“磁石の同種の磁極間には反発力が、また異種の磁極間には吸引力が働く”ことがわかります。
永久磁石の保存の仕方
永久磁石は、長い間そのまま放置しておきますと、磁石の強さは自身の磁極のため減磁力が働いて次第に弱くなってしまうので第4図のように、磁極間に鉄片を吸着させて、磁極が現れないようにして保存します。